Verre L'INAO

I.N.A.O.(国立原産地名称研究所)とは、Institut National des Appellations d’Origineの略称で、ワインの原産地名称を保護するためのフランスの公的機関。そのI.N.A.O.がワイン試飲専用に定めたグラスがこれ。

オーディオで言うと、ワインの中身はCDやハイレゾなどの音源にあたり、グラスはスピーカーです。ワインをいただくときにはグラスに直接口をつけるので、増幅装置(アンプ)などのようなものは不要です。当たり前ですが。笑

で、ワインにはボトルサイズっていう違いがあります。mp3をハーフボトルと仮定すると、CD(16/44.1)は750mlの通常ボトル。ハイレゾになるとマグナムかそれ以上の大きさ。データ容量が大きければ情報量も増えます。ワインは同じものなら375mlだろうが、1,500mlだろうが質的には同じです。が、ボトルのコルクを入れる口元の口径は同じです。つまり、容量に対する口元の表面積がめちゃめちゃ違ってきます。大容量は物理的にワインの品質を安定させて長期保存向きです。

例えば、シャンパーニュは一度でもマグナムの安定したきめ細かい泡の状態と揺るぎない重心が低く安定した味わいを知ってしまうと通常ボトルの味がなんとも心もとない印象になってしまいます。

えーと、なんの話でしたっけ。

オーディオでいうところのモニタースピーカーに該当するのがこの国際規格グラスです。寸法が細かく規定されています。フランスの公的期間が1970年代(知ってる限りの話ですが)に制定し、諸外国でも使用されています。一脚500円程度でネット販売もあります。

でも、このグラスはワインの粗探しグラスです。ま、モニタースピーカーもそういう側面ありますが、グラスに入れたワインの色、香り、味その全ての面で粗探しをしてワインの欠点を暴き出す、そういうグラスです。

ですから、このグラスでワインをいただいても美味しくもなんともありません。

どうか、業界の方以外は絶対にこのグラスを使わないようにお願いします。

オーディオのモニタースピーカーって、その点、それなりに綺麗に聴こえてしまうのでいいですよねぇ。笑

2コメント

  • 1000 / 1000

  • Tak

    2020.06.10 00:46

    @早瀬文雄ワインなどのお酒、コーヒー、紅茶、カメラに限らず嗜好品や芸術品はオーディオに共通する要素が盛り沢山です。思いつく限り、書いていきたいと思っております。こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。特にワイングラスは一つだけではどうしようもないっていうスピーカーと同じ側面があります。同じワインをグラスを変えて味わう。まさにスピーカーをマグネパンからネットワークなしのシンプルシステムまで揃えるのと一緒だと思うところがありますね。楽しみましょう!
  • 早瀬文雄

    2020.06.09 12:23

    大変勉強になりました、ありがとうございます。オーディオのあれこれと重なるところがあって、『リファレンス』となるサウンドをどう決めるのか、どうやって設定するのか? という困難な現実を改めて考えさせられました。再生音楽を規定するパラメーターはあまりにも多く、お互いに四苦八苦してきましたが、目指すところは一致しています。エージングの進んだJBLをしっかりコントロールされているサウンドを巷の【オーディオマニア】の皆様に聴かせたい! 私たちが追い求めてきたのはあくまでも自然に響く『音楽』です。その理想が、ほぼ実現できたんじゃないかと思っています。今後も切磋琢磨、さらなる高みへ飛翔すべく頑張りたいと思います。今後ともよろしく‼︎