Bruckner Symphony No.7 performed by HMV194

新橋のすき焼きの老舗”今朝”さんの社長でいらっしゃる藤森氏。彼の蓄音機(HMV194型)はかつて今朝さんで聴いたことがあり、その印象は忘れてはいない。こってりと生々しい弦楽器。

その印象をそのまま思い出す演奏会が代々木上原のMUSICASAで開催されたので、聴きに行ってきました。

曲目はワーグナーのジークフリート牧歌(フルトヴェングラー:ウィーンフィル)とブルックナー交響曲7番(ヨッフム:ウィーンフィル)の2曲ですが、SP盤全部で10枚!

4~5分の演奏ごとにレコード盤のひっくり返し、あるいは盤を交換し、針を外して新しい針を装着し、モーターのゼンマイを巻くためにハンドルを約20回グルグルと回し、針を盤面に乗せる。

この動作を盤面ごとに行うため20回は繰り返すことになります。ワーグナーだけでSP盤2枚、ブルックナーで8枚。電源を使わない蓄音機だけという究極のエコ演奏会ですが主催者はあちこちに神経使うから大忙しで曲を聴いて鑑賞するどころではない。

音色は金管楽器の音が大きくなると割れるのは仕方ないと最初から無いものねだりはしないものの、弦楽器や木管楽器のなまなましさは想像以上で演奏そのものの空気感というか緊迫感が迫ってくる。これはかつて自宅で鳴らしていたTannoy Canterbury 15を思わせる何かがある。

と、感じながら帰ってきたところです。

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