My audio & Bruckner in 1976

1976年、大学生になっても毎日の音楽は聴き続けておりました。

オーディオのかなめはスピーカーである。と、オーディオ雑誌で読み、アルバイトでお金を貯めて、秋葉原に行き、オーディオ店で音を聴いて比較して、納得して買ったはずのDIATONE DS-35B。当時使用していたアンプはTrio(後のKENWOOD)KA-7300でした。

お店でいいと思ったけれど、自宅で聴くとこれがさっぱりピンとこない。って言うか、クラシックの弦楽器が全く錆び付いた音にしか思えない。アース・ウィンド&ファイアーや、ピンク・フロイドは圧倒的ないい感じ。これが、逆に心を逆撫でる。

そんなころ。高田馬場駅前にムトウと言うレコードショップがあって新譜を探しによく通いました。その2階にクラシックコーナーに男性と女性の店員さんがいてよくお話をさせていただいておりました。

「今月のレコード芸術でケンペ:ミュンヘンフィルの交響曲第5番の新譜、かなり内容がいいと思いますよ。お勧めします。」って言われて買った2枚組LP。

ま、弦楽器は我慢して曲を聴きましょうってことで針を盤面に下ろしたんですね。

ブルックナーの交響曲は4番、7番、9番は聴いて知っていましたが5番は初めて聴きました。

あ!これはいい。このオーケストラのこの録音ならうちでも弦楽器がいいおとで鳴る!DS-35Bで初めて弦楽器がいい音で鳴った!ちょっとお涙頂戴的な感動でした。

そのケンペ:ミュンヘンフィルの幻の録音(ドイツBASF社録音)が5番の後の4番の収録も含めて蘇りました。懐かしい。堅実だったルドルフ・ケンペの人柄がよく理解できる、そう言う演奏で、ブルックナーの中でもかなりお気に入りになっております。


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