Benedetti Michelangeli & Krystian Zimerman
M's System Speakerで聴くピアノが申し分ない。FOSTEXのフルレンジユニットがこれほど完成度の高いフルレンジユニットであったか!と改めて思わされました。
今晩聴かせていただいた二人のピアニスト。イタリアとポーランドの二人。
アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ 1920年生まれ、1995年死去。名前からしてもうイタリア。天才肌のピアニストです。
誤解していたのですが、アルトゥーロが名前で苗字はベネデッティ・ミケランジェリだそうです。
ミケランジェリってミケランジェロの複数形というのもすごいんですが、ミケランジェロがまた大天使ミカエルのことです。ミカエルは英語でマイケルだし、ドイツ語でミヒャエルだし、フランス語でミシェルと有名ですが、ミケル(ミカエル)とアンジェロ(天使)ってつまり「神のごときもの」っていう圧倒的な大天使さまのお名前でもあります。
その名前の通りというか、この完璧主義のアルトゥーロさんは調子が良くないとコンサートも当日の晩にキャンセルしちゃうほどの気難しいピアニストでもあったそうです。
この録音が残っている点だけを見てもどれだけ貴重な録音だったかって思います。
このブラームス最高。
で、もうひとかた。ポーランドのクリスティアン・ツィマーマン。
ポーランドだけれどドイツ語的的な名前は色々聞いています。ツィマーマン(Zimmermann)はドイツ語で大工さん。Zimermanというスペルはドイツ語とちょっと異なりますが。彼のご先祖さんは大工さんだったかも。勝手な妄想ですが。
このクリスティアン・ツィマーマンさんの何がすごいかってシューベルトのピアノソナタNo.21B-flat D960を聴いて背筋がぞくっとしたんです。シューベルトってか弱い、ダイナミックさに欠ける作曲家っていうイメージだったんですが、この曲はメロディが素晴らしいベートホーフェンって思われるんです。東欧の作曲家ではないしっかりした揺らぎのない安定したハーモニーに支えられているところがドイツ・オーストリア系の特徴だって個人的に理解しておりますが、その流れをしっかり魅せるのがシューベルトです。
ツィマーマンの演奏はこれまた透明でダイナミックです。1956年生まれで今年の12月に64歳とのことです。ファーストネームのクリスティアンが透明感(クリスタル)のように思われて大好きになりました。
こういう天上で聴けるような演奏に、本日最後のお酒は、なまライムを絞って、ロンドンドライジンに炭酸をちょっと足しました。きりりとした高貴さが演奏にピタリ。
今晩もよく眠れます。きっと。
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